小学生向け教材を提供するAmplify社CEOのLarry Berger氏は私とSummit Public Schools CEOのDiane Tavenner氏との会話の中で、エドテック企業が教員に提供しなければならない重要な機能が少なくとも3つあると提起している。すなわち、
1. 教員の時間を節約する。
2. 教員の手の届く範囲を広げる。
3. 教員の生徒に対する理解を深める。
上記3項目は、エドテック企業は教員が優先したり普段から実行していることで助けなければならないことを示している。たださえ普段から忙しい教員に「さらに別のこと」を強いることはできないのだ。
Berger氏が言う「2. 教員の手の届く範囲」とは、テクノロジーは「普段行かない場所へ遠足するようなもの」であってはならないという意味だ。教員にとって生産的な方法で手の届く範囲を広げなければならない。さらに、テクノロジーは教員が生徒について学び、生徒を知ることを助け、生徒をより効果的に指導できるように支援しなければならない。エドテック企業の多くは、教員が正しく使いさえすれば生徒の学習を向上させるような製品やサービスを提供していると主張する。しかし、教員がすでにやろうとしていることを、少なくとも今以上に効率的にできるようにしなければならないことを見過ごしている。
Berger氏の会社は、名称をWireless Generationとした最初の製品でこれを達成した。教員が生徒の読解力を把握するためのモバイル評価ソフトを提供したのだ。この製品は教員の生活を複雑にするのではなく、教員の生活を改善し簡素化した。一度教務の効率化が実現できれば、次にエドテック企業は学生側の学習を向上させる5つの重要なことを提供できるとBerger氏は述べている。
まず、チューターと同じような素早いフィードバックを可能にし、生徒の学習を向上させること。
次に、従来の環境では難しい、あるいは不可能な体験を可能にすること。例えば、理科の先生が「1億トンのメタンを大気中に投棄すると気温が上昇するかどうか実験したい」と提案しても校長は検討すらしないだろう。しかしシミュレーションではそれが可能になり、何が起こるか見ることができるのだ。
第三に、学生がどこで行き詰っているか等を理解することで、どこを改善すればよいのか分かるデータを作成すること。
第四に、テクノロジーをうまく活用すれば生産性の向上が可能になること。つまり、手作業や手間のかかるプロセスを自動化すること。
そして最後に、学生が次に学ぶ必要があることに対応して、学習をより個別化し自律的な学習を可能にすること。この点についてはBerger氏は注意を促している。すなわち、学生の成功に必須の基礎を欠いた選択肢を与えたり、学びを解放することにつながらない形で「学習スタイル」をカスタマイズして個別化してしまったり、または学生が時代遅れの概念で学んでしまう懸念だ。
秋の新学期で教員や学校がどのようにデジタル学習ツールを使うのかは注目に値するだろう。従来の教室で起こったことを再現するためにツールを使うのか、それとも従来のものを超えて生徒の学習を改善するためにツールを使うのか。また、エドテック企業は教員が実際にツールを使用する際に何がモチベーションになるのかを理解し、それに対応するのか?
Berger氏の助言は重要だ。ここ数ヶ月間で教員がテクノロジーに慣れてきたからといって、「すべてが良い方へ変わる」わけではないのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿