"Blended Learning" 実施例


ブレンディッド・ラーニング実施例
学習塾「アイパル」(2011〜2016、横浜市)



中国北京での駐在から帰国した翌年に、横浜で学習塾を開校しようと考えました。金融界で仕事をした経験を生かして、①講師による一方的な授業は行わない(⇒ 生徒が主体的に学習する)、
学年や科目により決められた時間割は用意しない(⇒ 生徒自身が予定を鑑みスケジュールを毎月作成する)、
③学習内容やペースも指示しない(⇒ 何をどれだけ学習するか、宿題をやる・やらない等も生徒自身が判断する)と、
一般の学習塾とは異なる切り口で始めました。

こうした方法を取り入れた理由は、生徒に少しでも「自分で考え判断し、行動する」訓練をしてほしいと考えたからです。今の学校教育が「与えられた教科書を使い、決められた時間割に沿って、先生の話を聞いてノートを取る」といった生徒の自主性や個性をまったく考慮しない制度になっているため、マニュアルや上司の指示がないと一人では何もできない社会人を育ててしまうと危惧したからです。

こうして前例の少ないスタイルの学習塾を暗中模索しながら運営して3年目に、アメリカの教育関連メディアを読んでいて出会ったのがブレンディッド・ラーニングです。この「個別カリキュラム×学習者主導」という理論が、塾で実践しようとしていることに酷似していたのです。

学習塾では、ブレンディッド・ラーニングの分類では「個別ローテーション」と呼ばれるモデルを実践しました。具体的には、
生徒は教室に入ると、まず当日の課題単元の動画解説を視聴し、要点を理解します。理解度に応じて、適宜ビデオを早送りしたり巻き戻しながら、ポイントをノートにまとめます。1単元は長くても10分です。

次に自席に戻って基本問題に取り組み、自己採点してポイントが十分に理解できていれば練習問題に進みます。理解が不十分だと思えば、要点解説ビデオを見直したり、生徒が自力で答えを発見できるように講師がヒントを与えることもあります。


③最後に、講師席で練習問題の答え合わせをして、生徒が十分に理解できているかを講師が直接確認します。単元ポイントが十分に理解できていれば、次の単元へ進みます。ここでも、生徒の理解度が不十分だと判断されれば、もう一度要点動画解説を見直すこともあります。
こうして生徒たちは、コンピューター机から自席、そして講師席の3点をローテーションしながら、自分のペースで学習を進めていきます。従って、同じ学年でも、科目や単元によって一人ひとり進捗ペースは異なります。



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