2021年1月7日木曜日

2021年、教員が授業改革の鍵を握る

In 2021, Teachers Hold a Key to Transforming Conventional Instruction

年が明けても新型コロナの大流行が続く中、昨年の前例無き型破りな学校教育が今後もたらすかもしれない変革について、多くの予測が飛び交うのは間違いない。しかし、私立のマイクロスクールや学習ポッドによって既存の学校や学区が混乱することはないだろう。

とはいえ、教室に何の変化もないということではない。新型コロナによるストレスと苦痛は増える一方だが、それがますます多くの教師がオンライン学習教材を採用する状況を作り出している。これこそ、新型コロナが従来の指導モデルを破壊し、最終的には変革をもたらすかもしれない要因だ。


変化を生み出す条件


新型コロナの発生前に、教師が指導法を変える理由を解明するための調査を実施した。その結果、今年度の状況に特に関連していると思われる2つの洞察が浮かび上がってきた。


第一に、調査対象の教師たちは、状況の変化によって過去の教材や実践の実効性が低くなると、しばしば実践法を変えていた。例えば、学年や教科、学校が変わった場合、それまでの経験で蓄積した授業計画や教材に頼ることができなくなる。


第二に、教師はそれまでの実践が根本的に通じないと結論づけられるような経験をしたときに、指導法を大きく変える可能性が高い。例えば、高校の数学教師の一人は、生徒がテストで個別のスキルを反復するだけで多くの学習時間を費やし、内容には関心を持っていないことを何年も観察してきた後、こうした結論に達した。別の教師は、貧困率の高い学校で働いて、従来のアプローチでは生徒の教育的、社会的、精神的なニーズを満たすことはできないと判断し、この結論に達した。このような結論に達した教師にとって、フラストレーションが大きいことは明らかだ。今後根本的に異なる方法を見つけられない限り、教職を辞めるかもしれないと言う教師は多い。


2020年は転換期


新型コロナの発生によって、過去の経験が通用しない状況があちこちで発生した。


第一に、オンライン授業への移行が、これまでの慣れた方法で教える能力にダメージを与えた。印刷物をベースとした教材や工作をベースとした学習活動は、オンライン授業の範疇から外れた。机の配置によるグループ分けやポスターや生徒作品の壁貼りなど、教室環境の物理的要素はうまくいかない。また、アイコンタクトや身振り手振り、身体的な距離感など、教室運営上の多くの試行動作が、ビデオ通話ではうまく伝わらない。そこで、教師は仕事を遂行するための新しい方法を見つけなければならなくなった。


第二に、オンライン授業やハイブリッド授業は、従来型授業の長年の問題の多くを一層悪化させている。生徒の学習意欲を維持することが集団授業の教室内でさえ難しいならば、生徒が何時間も画面を凝視し、教師は別のブラウザタブや生徒の学習空間で起きていることを制御できないオンラインでは、さらに困難だ。ほとんどの生徒が同学年レベルにある時点でさえ多様な生徒の学習ニーズに対応することが容易ではないとしたら、生徒間の学習到達度の差が広がる春学期と夏休みの後に対応することはさらに難しい。すべての内容をカバーするのが通常の180日間の年度でさえ難しいとしたら、毎日の指導時間が半分になったり一日おきにしか生徒に会えなくなれば、さらに困難になる。新型コロナの影響で学校がオンライン授業で運営される限り、こうした状況は多くの教師に根本的に異なる指導法を求め続けることになるだろう。


証拠


最近の調査では、こうした現象が実際に起こっていることが明らかな証拠が見つかっている。当研究所が来週発表する全国の教師を対象とした調査では、79%の教師が新型コロナの間に新たな教材や実践を見つけ、コロナ後も継続して使用する予定であると回答している。何を採用したかについての自由形式の質問では、Google Classroom、Nearpod、PearDeck、EdPuzzleなど、オンライン学習教材を作成・管理するためのツールを挙げた教師が多かった。これらのツールを使うだけでは、より学習者中心の授業へ移行することを保証するものではないが、教師がこうしたツールを使いこなせるようになれば、教室を反転させたり、授業時間を柔軟に利用したり、生徒の習熟度に応じて進捗を確認したりと、学習者中心の授業へ移行することは格段に容易になる。


長期的な業績の推移


新しいツールを採用すれば自動的に学習者中心の授業になるわけではないが、新型コロナは、教師が新しいツールを採用するだけでなく、学習者中心の実践を可能にするモチベーションを高める条件を作り出している。基本的内容をカバーするためにオンライン学習ツールを使用すればするほど、教師は個別指導やプロジェクト、校外学習など、より幅広い授業や経験に時間とエネルギーを割くことができるようになり、結果として、生徒はより魅力的で学習者中心の経験ができるのだ。


実際、教師がこうしたテクノロジーを採用して、より学習者中心の学習にシフトするために使えば、従来の集団一斉型教育の教材と慣行を破壊することにつながる。小中高校では、教師が学習者中心型教育への移行をできる限り簡単に実行できるツールやトレーニングを設計する、Edtech企業や専門的な開発プロバイダが必要だ。


しかし、学習者中心への移行を進行できても、一教師の授業レベルで実践可能な変更には限界がある。学校全体の年間予定、クラス分け、決められた学習カリキュラム、学期ごとの通知表、成績表、習熟度や学習内容よりも教室での指導時間を重視する方針といった要因は、一教師だけで変えることな不可能だ。こうした要因については、学校や学区の指導者がより高い権限を持っているが、確立されたプロセスや優先順位が管理者の変革力を切り捨ててしまうことが少なくない。


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