世の中は多くのモノで溢れているにもかかわらず、孤立した老人や支援の手が届かない若者は増え続けている。学校も老人ホームも世代間の分断を助長するだけで、高齢化した地域の住人は若者と話をする機会もない
この2年間いろいろな意味で社会の分断が取り沙汰されているアメリカ社会が抱える問題について書かれているが、こと世代間の分断という点では日本のほうが状況はより深刻かもしれない。
アメリカでは、打開策として3つの動きが注目されている。
①老人ホームと幼稚園を併設したり、大学院生と定年シニアとの同居を進めるなど、単独では偏りがちな世代構成を相互補完する世代横断型統合施設が増え始めている
②教員以外の大人と接する機会が少ない学校が、地域社会に眠る人的資源を活用して職業関連プログラムなどを提供する
③子どもたちが異世代と交流すると、単に成績や卒業率など伝統的な評価基準だけでなく、その後の人生における健康や就職など大きな目標に好影響がある
教科書に書いてあることはほぼ何でも自宅でオンラインで勉強できるようになった今日、このように学校が地域社会に扉を開いて子どもたちが学校外にある人的資源を自由に活用して現実的かつ実用的な学びを実践できるようになれば、わざわざ窮屈な学校へ通わなくても学校以上の学びを経験できるようになる日も近いかもしれない。
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