教育関連テクノロジーが発達するにつれ、伝統的な指導スタイルは激しい批判にさらされている。 教育界の革新者は、工場の生産ラインが単一製品を産み出すようにある種の知識とスキルを持った生徒を「生産」するよう設計された工業化時代から、教室はほとんど変化していないと考えている。 特にブレンディッド・ラーニングによって、教育テクノロジーは学習をカスタマイズしたり時間と空間を創造的な方法で活用する可能性を秘めていると主張している。
まず、ブレンディッド・ラーニングには学習者にとって無数のメリットがあるということを最優先に言いたい。 このモデルは学習の格差をなくし、学習者のコミットを強化し、自己裁量権を育む。さらに、生徒一人ひとりの長所を伸ばす個別学習は、将来世代にとって未来の教育になると信じている。
しかしながら、従来と同じ工場スタイルの大量生産指向の教室にいくらアダプティブなソフトを実装しても、こうした目標は達成できない。
デジタル化と個別化の4象限
私の経験では、ブレンディッド・ラーニングの成功の秘訣は、単に特定のソフトを使用することではなく、テクノロジーを活用して学習を個別化する教師の能力にある。学習モデルや学習方法を変更しないで、教室にテクノロジーを実装することは可能である。四等分した表でテクノロジーと個別学習が教室内でどのように連携するか(またはしないか)を説明するために、第1象限(デジタル化されているが、個別化はされていない)と第2象限(個別化されているが、デジタル化はされていない)を使って2つのシナリオを提示したい。
私の経験では、ブレンディッド・ラーニングの成功の秘訣は、単に特定のソフトを使用することではなく、テクノロジーを活用して学習を個別化する教師の能力にある。学習モデルや学習方法を変更しないで、教室にテクノロジーを実装することは可能である。四等分した表でテクノロジーと個別学習が教室内でどのように連携するか(またはしないか)を説明するために、第1象限(デジタル化されているが、個別化はされていない)と第2象限(個別化されているが、デジタル化はされていない)を使って2つのシナリオを提示したい。
工場型ブレンディッド・ラーニング(第1象限の事例)
まず、新しくパソコンを入手してブレンディッド・ラーニングを導入しようと考えている教師を想定する。この教師は、新学期の8月にクラスを3つの学力別グループに分け、1年間数学と国語の時間に学生をローテーションさせる。ローテーションの1つは、学生がマイペースで学習するためにオンライン教材を使う時間だが、その他の時間は従来とほとんど変わらない講義型の授業。 教師はクラスごとに授業を3回繰り返すが、結果にはほとんど影響がない。生徒たちはパソコンで何をしても楽しんでいるように見えるので、教師はそのまま放置する。すなわち、学習のペースを一部自己管理できるよう作業の一部をデジタル化するものの、テクノロジー導入の最大のメリットである学習の時間、場所、方法につき生徒に自由裁量は与えない。
次に、オンライン教材は使用しないが、一般に優れていると認知されている教師を想定する(第2象限)。この教師はすべての授業に明確な目的を掲げ、学生もこの目的とそれがなぜ重要なのか理解し、授業中は授業目的に関連する厳しい思考や議論、協働に深く携わっている。持っている知識を意味のある方法で新しい文脈に適用する。授業終了時には全生徒が学習目的を習得すると期待され、教師は創造的なグループ分けと柔軟な活動を通じてさまざまなレベルのサポートを生徒に合わせて提供する。すなわち、教師は学習を個別化する努力はするが、テクノロジーはまったく使わない。このシナリオは、デジタル化しなくとも個別化は可能であることを示している。実際、この方法はデジタル化された工場型ブレンディッド・ラーニングよりも好ましいと主張する人は多い。
上記2つの事例はあまりに単純すぎるが、同時に疑問も提示している。工場型の教室を単にデジタル化すると、どのような教室が出来上がってしまうのか。ブレンディッド・ラーニングの成功の秘訣は、これら2つの単純なシナリオを超えて、両方の良い点を組み合わせることである。仮に教師が、2番目のシナリオで示された高い目的意識を持った学習習慣と最初のシナリオのテクノロジーツールを組み合わせることができれば、生徒と教師の双方が持続可能な厳格で高度に個別化された教育モデルに移行することができる。
テクノロジーなしで学習を個別化することは、最高の教師に与えられる困難な課題である。 しかし、今日あるソフトやツールを使用すれば、実現可能性をより高めることができる。 しかし忘れてならないのは、工場モデルを想起させる集団一斉型授業と結ばれたテクノロジーは、こうした究極の目標を達成できないということである。
教育モデルが完全に転換するようブレンディッド・ラーニングが影響力を発揮するには、教師は生徒が学習の目的と意義を理解するよう支援し、形成的評価を一貫して採用し、結果に対応し、かつ有意義な学習目標に達するための明確な道筋を生徒に示す必要がある。 こうしたスキルは、ブレンディッド・ラーニングの教室ばかりに特有のものではなく、これまでもテクノロジーを使わずともこうした個別化戦略は採用されてきた。しかし、ブレンディッド・ラーニングが学習を個別化する可能性を最大限に発揮するためには、こうしたスキルが非常に重要である。
元記事 Squaring Personalization and Digitization in 2018
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