2018年1月7日日曜日

イエナプラン教育とブレンディッド・ラーニング

正月休みにリヒテルズ直子さんの著書「オランダの個別教育はなぜ成功したのか」を再読し、イエナプランとブレンディッド・ラーニングは理念的には極めて近く目指す方向性もほぼ同一であるということを改めて感じました。さっと斜め読みしただけでも、両者に共通する要素をいくつも拾い上げることができます。



例えば、個別教育を支える3つの要素ー個別指導、自立学習、共同学習ーですが、まさにブレンディッド・ラーニングにより実現を目指す個別カリキュラム(アダプティブ)と生徒主導(自律学習)とほとんど同じ意味のことが言われています。


また、イエナプランでいう「リビングルームとしての教室」など、ブレンディッド・ラーニング導入校で見られる、いわゆる日本のスクール配置とはまったく異なる教室形態の原型ともいえるものでしょう。また「循環する活動」なども、ブレンディッド・ラーニングでいうローテーションそのものですし、保護者の積極的な学校参加を促す点なども共通しています。


唯一の違いは、ブレンディッド・ラーニングが21世紀に入り発達したICTの積極的な活用により教育の個別化を大規模に実現する手段として重視していることでしょうか。しかしこれも、イエナプランがオランダで本格的に普及し始めたのが1960年代後半から70年代前半ということですから無理もない話で、今ではおそらくオランダのイエナプラン校でもICTは活用されているのではないかと想像します。逆に言えば、インターネットやデジタル機器のまだない半世紀近く前のオランダで、どのように個別教育を実現していたのか非常に興味深いところです。

0 件のコメント:

コメントを投稿