人生で最も印象に残っている先生とはどんな先生だろうか? テスト対策に優れた先生や指導要領に沿った授業をしてくれた先生、ではないだろう。それだけでは、学生の心に響くような思い出を作ることはできない。それでは偉大な先生とはどのような先生なのだろうか? 私の個人的経験からは、2つのことが言える。
一つは、アカデミックなクラブに入りたくなるよう仕向けてくれたこと。小学6年の担任の先生といくつかの班に分かれて石膏でピラミッドを作り、ギリシャとの戦争をサッカー場に再現した経験。高校の物理の先生と、体育館の屋根から木のブロックを滑り落として落下地点を測定し、ニュートン力学の予測精度の高さに驚愕した経験。
二つ目は、自分の可能性を信じてくれ能力ギリギリの課題を与えてくれたこと。中学の担任が私をジャズクラブに誘ってくれ、皆で練習した結果ジャズバンドの大会で入賞した経験。大学1年の英文学の教授に、アメリカの古典文学によく見られる「子どもから大人になる」物語の解釈に苦戦しているとき、より自省的に読みかつ明確で思慮深い考えを書くよう指導された経験。
こうした私の個人的経験は、クリステンセン研究所によるこれまでの調査と同様の結果を示している。すなわち、偉大な教師はいずれも、学習を通じて学生の2つの「やるべき課題」を満たしているのだ。それは、友達と楽しい時間を過ごすことと、「上手くできた!」という経験をすることだ。
前者を満たすには、学生の好奇心と遊び心を刺激する楽しいグループ学習を経験させることだ。後者については、学生にやや難しい課題を与えて解決できるよう手助けし、上手くできたら褒めることだ。
先週ある集まりに参加して、偉大な教師の要件について新たな要素を見出した。その集まりでは学習者中心の学びについて深く議論したのだが、多くの場合、偉大な先生方は学習者中心を実践していることに気付いた。
残念ながら、今日の学校システムでは、学習者中心を実践するには様々な障壁や制約に対する不断の努力が必要だ。集団授業の合間の休み時間に生徒と話をし、学力に問題のある生徒には放課後個人指導をし、特色ある授業を作るため家に帰って計画を立てざるを得ない。
それでは、学生のやるべき課題を満たす学習者中心のシステムとはどのようなものだろうか? サミットパブリックスクールでは、オンライン学習とPBLおよび体験型学習を組み合わせている。生徒は、教科の基本要点を達成度基準のオンライン学習で学んでから、読み書き、算数、理科、社会のより深い理解を得るためにチームになってプロジェクトに取り組む。こうした組み合わせによって、生徒が毎日成功体験を積んで友達と楽しい時間を過ごしながらカリキュラムを消化している。
従って、教師がより多くの指導時間を学習者中心型に変更できるように指導モデルをこれまで以上に変革していこう!
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